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鍼灸vol.1 【押手の基礎】

押手とは

「押手」とは、一口に言っても様々な目的があります。

  1. 皮膚の緊張度を調整
  2. 鍼体を保持し刺鍼をし易くする
  3. 患者の不意の動きを防止する

押手は上記の様な目的を意識し作られる事で、痛みのない鍼を刺すことが出来ます。
また、押手には『左右圧』『上下圧』『周囲圧』重要な3つの圧があります。

  1. 左右圧は母指と示指で鍼体をつまむ加減の事で、鍼の刺入や安定を目的としています。弱すぎれば鍼体は折れ、強すぎれば刺入が困難となります。
  2. 上下圧は左右圧を作った母指と示指を刺鍼部位にかける圧の事で、ゲートコントロールにより切皮痛や刺入時痛を無くす為に行います。
  3. 周囲圧は左右圧と上下圧で使う以外の指、中指・薬指・小指・小指球の部分の全体でかける圧の事で、刺鍼部全体を固定し、患者自身による急激な同様を防ぎ刺鍼の安定を図ります。また、皮膚と筋肉が滑動して鍼が曲がる事を防ぐ働きがあり、適度な圧は患者に安心感を与える効果もある。

押手の形

【満月型】

満月型の押手

母指と示指で丸く輪を作り鍼体をつまむ。顔面部や四肢末端など近接した経穴に刺鍼する場合に使いやすい。

【半月型】

半月型の押手

満月型の母指側を真っ直ぐにし、鍼体をつまむ。体幹部や臀部など深層部まで刺鍼する場合に使いやすい。

押手の工夫

痛みのない鍼を刺す為に大切にしている事。

それは、『皮膚を張る』事です。

三角形の隙間

皮膚面に『三角形の隙間』が出来る押手を作ってしまうと、皮膚がたわみ刺鍼時に強い切皮痛を出してしまいます。

T字の押手 鍼管を入れた時

母指と示指を合わせた線が皮膚面に対して垂直になる『T字』の押手を作り、鍼管を入れた時に皮膚が突っ張る事で刺入時の切皮痛が無くなり痛みを感じさせません。

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