鍼灸vol.2 【低周波鍼通電療法(鍼パルス)】
鍼パルスとは
周波鍼通電療法(鍼パルス)は大きく3つ分けられます。
- 筋肉内循環の改善と筋硬結や短縮の軽減(以下、筋パルス)
- 体性神経の閾値の正常化(以下、神経パルス)
- 亜急性捻挫など熱感・腫脹に対する消炎鎮痛(以下、関節パルス)
に分けられます。
適応疾患
- 腰痛(筋・筋膜性)
- 頚椎症
- 坐骨神経痛
- 遅発性筋痛
- アキレス腱炎
- ドゥ・ケルバン病
- 亜急性捻挫
具体的対応
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筋パルス
- ⅰ筋緊張
- [目的]
- 筋・筋膜性腰痛等の筋性の症状に対し、筋緊張緩和を目的に行う。
- [鍼を刺す場所]
- 緊張した筋肉を押した時に最も硬く、深い鈍痛のある所。刺す深さは、筋肉が届く所。
- [周波数と通電時間]
- 1Hzで15分。
- [電流の強さ]
- 筋肉がしっかりと動く位。鍼の刺した部分が『チクチク』『ズキズキ』する事が無いように注意する。
- ⅱ筋疲労・腱炎
- [目的] 遅発性筋痛やアキレス腱炎等腱の付着部痛みに対して、消炎鎮痛を目的に行う。 [鍼を刺す場所] 押すと痛みのある筋肉や腱。 [周波数と通電時間] 30~50Hzで10~15分。連続通電に休止時間を挟んだ断続波。 [電流の強さ] 腱の収縮が触知する位。
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神経パルス
- [目的]
- 頚椎症や坐骨神経痛などの神経根症状がある場合。体性神経の閾値の正常化を目的に行う。 [鍼を刺す場所] 障害された神経根の近く、痛みやしびれを訴える部位の神経経路の近く。 [周波数と通電時間] 1Hzで15分。 [電流の強さ] 支配神経領域の筋が動く程度。
関節パルス
- [目的]
- 亜急性捻挫などで熱感、腫脹のあるものに対し、消炎鎮痛を目的に行う。 [鍼を刺す場所] 関節部の圧痛点や熱感、腫脹のある部位を挟むように。 [周波数と通電時間] 100Hzで15分。 [電流の強さ] 『ジーン』とした刺激を感じる程度。
注意点
捻挫や肉離れ等の外傷の初期はRICE処置を優先し、局所の刺鍼は避ける。